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兼任EMとして出来ること

本記事の対象者

  • プレイヤとEMを兼任する方(プレイングマネージャ)
  • 兼任EMと関わるチームメンバの方々

はじめに

兼任EMというのは語感を良くしただけで、実際はプレイングマネージャという言葉が一般的です。
私はあるチームについて今までの役割(テックリード)に加えて、エンジニアリングマネージャ(EM)の役割も担うようになりました。

その際にバリバリコードを書くエンジニア(プレイヤ)、技術面をリードするテックリード、EMの3役を完璧にこなすのは不可能なため、「完璧なEM」を目指すよりは「ベターな兼任EM」を目指すべきと考え、そのために出来る事をまとめました。

兼任EMがやるべきこと

方針の共有

兼任EM(≒プレイングマネージャ)として問題になるのがプレイヤとマネージャのバランスです。
例えばプレイヤとしてコードを書く時間が多いと、マネージャとしての活動が疎かになります。
このバランスは非常に難しいため、方針を共有し開発メンバの理解を得る事が重要だと思います。

方針の例

  • プレイヤとして15時間/週程度の時間が必要
  • 逆算してプレイヤ / テックリード / EMの時間配分を算出(以下は例)
    • プレイヤ: 15H / 週
    • テックリード: 3H / 週
    • EM: 3H / 週
  • メンバの状況に合わせて専任EMの採用や時間配分を調整

学習計画の作成

もし兼任EMとして活動するだけでなく、EMの仕事に不慣れな場合は自身のためにもチームのためにもEMの仕事について学習が必要です。
またEMの仕事について学習するために時間を割いていることをチームに共有する事で、自身のEMとしての成長意欲も伝えることができます。

学習計画の例

やったこと

  • エンジニアリングマネージャーのしごと (oreilly) を読み、3つ実践

これからやること

  • エンジニアリング組織論への招待 を読み、3つ実践
  • エンジニアのためのマネジメントキャリアパス を読み、3つ実践

課題の提示

例えばE2Eテストが遅いという課題により、チーム全体の開発効率が低下しているものの、今まで開発メンバは自分の仕事に一杯一杯で、E2Eテストの課題については誰も対応できていなかったとします。

このような場合、兼任EMとしての現実的な仕事はまずE2Eテストが遅いという「課題をはっきりチームに共有すること」かなと思います。
そうすることで初めて課題についてチームで話し出す事が出来ます。
(なお課題提示の前段として、開発メンバとの1on1や各種メトリクスが役立ちます)

課題提示の例

普段の1on1や各種メトリクスから、E2Eテストが遅く開発効率が低下していることがわかりました。
皆さんはこの課題についてどう思いますか?といった質問を投げかける。

参考資料